
競泳水着の起源は、19世紀末のオーストラリアとイギリスに求められます。
オーストラリアでは、1896年にシドニーで開催された国際水泳選手権で、競泳水着が初めて使用されました。当時の競泳水着は、体にフィットする形状ではなく、ゆったりとした形状でした。また、素材は絹や綿などの天然繊維が使われており、水に浸すと水を吸収し、重くなってしまうという欠点がありました。
イギリスでは、1899年にロンドンで開催された国際水泳選手権で、イギリスの選手が競泳水着を着用して優勝したことがきっかけとなり、競泳水着が普及しました。
1900年代に入ると、競泳水着の素材に、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維が使われるようになりました。合成繊維は、天然繊維に比べて水に浸しても水を吸収せず、重くならないという利点があり、競泳水着の性能向上につながりました。
また、1950年代からは、レーザーカット技術や立体裁断技術などの新技術が競泳水着に導入されました。これらの技術により、より体にフィットする形状の競泳水着が作られるようになり、水の抵抗をさらに減らすことができました。
1990年代後半になると、ハイドロフォイル水着が登場しました。ハイドロフォイル水着は、水をはじく素材や、水の流れを整える素材などを採用しており、水の抵抗をさらに減らす効果がありました。
ハイドロフォイル水着の登場により、世界記録が次々と更新されました。しかし、2008年北京オリンピックでは、競泳水着の素材や構造に技術的な優位性が生じていることが問題視され、FINAは競泳水着の規制を強化しました。これにより、ハイドロフォイル水着は使用禁止となりました。
FINAの規制強化により、ハイドロフォイル水着のような画期的な競泳水着は登場していません。しかし、新素材や新技術の開発により、競泳水着の性能は向上し続けています。
例えば、最近では、撥水性や伸縮性、耐久性などを向上させた素材が採用されるようになりました。また、体型をカバーするデザインの競泳水着も登場しており、より多くの人が水泳を楽しむことができるようになりました。