
ハーレムとは、大きく分けて2つの意味があります。
1つは、イスラム世界における女性だけの居室や、男性が大勢の女性に囲まれている状態を指す言葉です。
もう1つは、アメリカのニューヨークにある地区を指す言葉です。
イスラム世界におけるハーレム
イスラム世界におけるハーレムは、アラビア語で「ハリーム」とも呼ばれ、男性の立ち入りを禁じられた空間を指します。イスラム教では、男性と女性は一定の距離を保つべき関係とされており、男女間の接触を物理的に断ってしまうという考えのもと、女性だけの空間「ハーレム」が作られるようになりました。
ハーレムには、主にスルタンの妻や側室、侍女などが暮らしていました。ハーレムは、スルタンの権力や繁栄を象徴する場所であり、また、スルタンの子供たちを育てる場所でもありました。
ハーレムの規模は、スルタンの権力の大きさに応じて異なりました。オスマン帝国のスルタンであったスレイマン1世のハーレムは、400人以上の女性が暮らしていたと言われています。
ニューヨークのハーレム
ニューヨークのハーレムは、マンハッタン区の北部に位置する地区です。1658年にオランダ人によって建設された村が起源であり、当初は白人の高級住宅街でした。しかし、19世紀末に地下鉄建設の遅延によって地価が暴落し、北部から移住してきた黒人たちが集まり、黒人の街となりました。
ハーレムは、20世紀初頭に「ハーレム・ルネサンス」と呼ばれる文化的・芸術的な繁栄を経験しました。この時期には、詩人、小説家、音楽家、芸術家など、多くの黒人文化人がハーレムに集まり、アフリカ系アメリカ人のアイデンティティを探求する作品を発表しました。
現代のハーレムは、依然としてアフリカ系アメリカ人の人口が多数を占める地区であり、アフリカ系アメリカ人の文化や芸術の中心地となっています。また、ストリートバスケやヒップホップなどのカルチャーの発祥地としても知られています。
ハーレムのスラング
オタク文化においては、ハーレムとは「1人の男性キャラクターに複数の女性キャラクターが好意を持つ状態」を指すスラングとして用いられます。この場合のハーレムは、必ずしも性的なものを意味するわけではなく、単に複数の女性キャラクターから好意を寄せられている状態を指します。
ハーレムは、男性の夢とも言える状況であり、多くの男性向け恋愛ゲームやアニメ、マンガなどの題材となっています。

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